: 大会序盤で２敗を喫し、メダル争いに首の皮一枚繋がった状態で、好調の韓国との�Tアジア対決�Uをキャプテン孫月の気合いでモノにし、勢いの出つつある中国と、ここまで４強との対決がなく、当然のごとく全勝できたロシアとの対戦。これまでは比較的中国がロシアを得意にしているし、中国にとってはこの試合に負けるとメダルが絶望となるだけに、韓国戦にもまして気合いが入っていることだろう。一方、ロシアはこれまでずっと格下相手の試合ばかりで、少々集中力が抜け気味なのが心配。カルポリ監督がチュニジア戦で激をとばし、セッターのバシレフスカヤを泣かせたのもうなずける。悲願の金メダル獲得に向け、最後の中国・ブラジル・キューバ戦に気合いを入れ直してこれるか？バトフチナがいなくなって、ブロックに割と穴のあり、アジア勢には弱みを見せるロシアだけに、中国がブラジル戦の序盤で見せた完璧なコンビバレーと韓国戦で見せた集中力を発揮すれば．．．が、やはり今回のロシアは強そう。リューバの安定感がそう感じさせるのだろう。死角はやはり日本戦で見せた「浮き足立ち」か？

そして、我らが（おいおい．．．）ブラジルは残るロシア戦に全力を傾けて欲しいところ。去年の世界選手権でロシアに２敗した借りを是非返してもらいたい。鍵はリカルダ。初戦のクロアチア戦で彼女の素晴らしさには触れたが、どうして誰も彼女に注目しないかなぁ？まぁもちろん私のブラジルへのヒイキ目もあるのは認めるが、昨日までの個人ランキングにも、彼女のサーブレシーブの素晴らしさが客観的に表れている（リベロとしては日本の津雲選手に次いで２位、なおディグ部門でも日本の大懸選手に次ぐ上位にランキングされている）。ジャニナ・カリン・アナ＝モーゼを中心とするリードブロックがかなりのレベルまで来ているだけに、たとえロシアのアタッカー陣を相手にしても、リカルダの好レシーブが炸裂するのは必至であろう。リードブロックで言うと、ロシアのリューバをいかにして止めるか？今までは格下相手ということで、彼女のコンビネーション攻撃は隠し気味であるが、最後の４強相手の３連戦では、かなり彼女に頼ってくるだろう。リューバ対ブラジルのリードブロック＋リカルダのレシーブという図式か？あとは、レイラが復調気味である現在、死角はやはりキューバ戦のように、サーブでリカルダを外して打たれ、攻撃が単調になってしまうことぐらい。特にアナ＝モーゼが狙われると苦しいが、対角のビルナもサーブカットは安定しているので、彼女がカバーできれば何とかなるだろう。たとえ負けるにしても、キューバ戦のような惨めな負け方ではなく、全力を出し切って負けるという形を望む。

それから、これはこの２試合に限らず、今大会全体を通して言えることだが、どうもラリーポイント制になって、フルセットの試合が減ったような気がするのは私だけだろうか？あまり実力のないチーム同士の場合は別にして、実力のあるチーム同士で力が拮抗している場合、第１・第２セットぐらいまでは確かに大熱戦となるのだが、その大熱戦をあと一歩のところで落としてしまうと、あとのセットは気が抜けたように負けてしまう傾向が強い様に思う（ブラジル - キューバ・韓国 - キューバ・韓国 - ブラジル等）。一方、実力差があるチーム同士の方がかえって最後のセットまで点数的にもつれることが多い（もちろんセットカウント的には３-０だったりするのだが）。試合を見ている方としても、なんか途中で結果が見えてしまう感があるのが少し寂しい。残り３日間、ぜひフルセットの熱戦、最後までどちらが勝つかわからない試合を期待したい！

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