: 日本バレー協会の�T韓国つぶし�Uスケジュールにまんまとはまり、キューバ・中国に接戦の末に敗れ３敗となり、たとえ今日勝ってもメダルの可能性はほぼゼロに近い（キューバ・ロシア・中国・ブラジルの残りの試合をどう考えても、どのチームも悪くても４敗以上はしそうもなく、セット率も悪い韓国は完全に不利）韓国が、メダルほぼ当確のブラジルと対戦。今までの私のレポを全部読んで頂いている方ならわかるでしょうが、今日の両チームの対戦は本来なら（＝韓国のメダル可能性が残っているなら）非常に見物だっただけにやや残念である。モチベーション的に戦う前からブラジル有利というのでは、韓国は辛い．．．。

第１セット、序盤は点数的には一進一退だが、内容的には完全にブラジルが韓国をじわじわ精神的に追いつめる。というのも、韓国御自慢の高速バレーがブラジルのリードブロックにすべてワンタッチを取られてしまい、プッシュをしてもブラジルに拾われ、長いラリーの応酬になるからである。ブラジルの攻撃を韓国がレシーブしてよく繋いで長いラリーになるのなら韓国ペースだが、その全く逆のことをブラジルにやられてしまっているのである。８-７の韓国１点リードで最初のテクニカルタイムアウト。その後、連続でブラジルにミスがあって10-７とリードしても、雰囲気的に韓国は何か追いつめられたような感じ。韓国のサーブはブラジルがレイラの時間差およびセンター線で一本で切るのに対し、ブラジルのサーブは韓国がカットをきっちり返しても一本で切れず、ラリーに持ち込まれる。これでは常に韓国がリードしていても、精神的には追い込まれるわけである。韓国も今大会大事なところでトスが上がるブラジルのビルナのアタックをよく拾い、13点までは何とかリードを保つが、だんだんしびれを切らした韓国はこのあたりから、スパイクミスを連発。カットも不安定になりだす。一方やることがきっちりできているブラジルには余裕がある。４試合ぶりに登場のアナ＝モーゼも休養十分の高いアタックを豪快に決め16-15のブラジル１点リードで２回目のテクニカルタイムアウト。韓国の選手たちの表情がさえない。「こんなはずでは？！」の表情。今大会あれだけ活躍していたク＝ミンジョンも全く決まらない。日本戦では隠していたチャン＝ユンヒのパイプもついに見せるも、彼女も気持ちが焦っているだけにめずらしくミス。逆にレイラに立て続けにバックアタックで余裕のフェイントを決められる。チャン＝ユンヒにまたまたミスが出て22-17で韓国たまらずタイムアウト。その直後からライトのワンレッグを多用し、それが当たり、２点差まで追い上げるも、サーブカットが乱れたところをブラジルの３枚ブロックに合い、最後はジャニナのフェイントで25-21。ブラジルが先取する。

韓国は試合前、「レイラとビルナを徹底マークする」と監督が語っていたが、確かにビルナの攻撃はかなり防いでいた。が、まさかこのような�T韓国のお株を奪われる�U展開になろうとは予想もしていなかったであろう。それだけブラジルのリードブロックは完成しつつあるということか？

第２セット、解説の杉山 明美さんも「恐らく韓国は第１セットとは違うコンビネーションで立て直してくるでしょう」と予想するも、スタート早々チャン＝ユンヒのワンタッチねらいのアタックをアナ＝モーゼがナイスレシーブで繋ぎ、レイラがバックアタックで決める、という風に第１セットと全く変わらない雰囲気。ビルナは決まらないものの、その分レイラ・アナ＝モーゼが絶好調。８-３とあっという間に引き離す。韓国ベンチは全くいいところのないク＝ミンジョンを下げ、イ＝ユンフィを投入。チャン＝ユンヒのパイプも見せ、まだまだ諦めないぞという気合いを見せ、追い上げ開始、16-17と１点差まで追い上げ、20-21まで一進一退の攻防。パク＝ミキョンのアタックミスで２点差になるも、代わって入ったイ＝ユンフィの活躍もあって22-22の同点。さすがは韓国。が、ここからまたまたレイラ・アナ＝モーゼの強打でセットポイント。最後はアナ＝モーゼのサーブで韓国を崩し、ビルナが決めて25-23。

第３セット、序盤５-５までは競るものの、それはチャン＝ユンヒ一人で何とかしているだけ。その後はサーブカットが崩され、ブロックはブラジルのコンビに全くついていけない．．．。これだけ崩れされた韓国は今大会初めて見た。今まで決まらなかったビルナも決まり出す。試合は完全に決まってしまった。最後は韓国のサーブミス。ミスで自滅した韓国．．．象徴的な終わり方であった。M.I.P.は文句なしにレイラ。会場からも「レイラコール！」。完全にブラジルが乗ってきた！

それにしても今大会のブラジルは今までのブラジルとは違う意味で強い。前半戦の時から、レイラを筆頭にもう一つアタッカー陣に調子が出ていないという印象で、大丈夫か？とも思わせたが、ベンツリーニの抜けたあと、レゼンデ監督の頭の中では今までのチームとは全く違うチームをイメージして作り上げているようだ。今までのベンツリーニのトスワークを中心に据えてブラジル独特のコンビバレーで相手に挑むというのではなく、もちろんそれは残ってはいるものの、むしろリードブロックを中心に相手の得意パターンを完全に封じ込んで勝っていこうというものである。

女子のチームでこれだけ組織的にリードブロックを取り入れたチームはブラジルが初めてであろう。それを可能にしているのはもちろん、３枚ブロックでワンタッチを取ったボールを、前衛のアタッカーが２段トスを打てない状況でも、後衛からどんどんコンビネーションを使って切り返せるブラジルならではのコンビバレーが基礎にあるからに他ならない。今日の試合はほぼ完璧に自分たちのやりたいバレーをやった感があった。それでも試合直後、レゼンデ監督は選手たちをベンチに座らせ、熱心に指示を与え、選手たちも真剣にそれを聞いていた。さぁロシア戦が楽しみになってきた！

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