: 前半戦総括でチェックした、好調なチーム同士の対決。韓国としては「いかに疲れを残さずに」試合を終われるか、つまり明日明後日の中国・ブラジル戦に余力を残せるかがポイント。

第１セット、スタート早々、まずチャン＝ユンヒが平行トスを�Tふかして�Uしまい、そのせいでキューバにいきなり４点連取される。が、韓国はあわてない。サーブでキューバを崩し、すぐに４-４と追いつく。サーブカットをきっちり返し、確実にサイドアウトを取り、一進一退の攻防。キューバのフランシスがサービスエースを取り８-６で最初のテクニカルタイムアウト。が、前半戦14本のサービスエースでサーブ部門ダントツのトップに立つアゲロがサーブミス。直後逆に韓国ク＝ミンジョンのサービスエースにチャン＝ユンヒの好打で韓国が10-９と逆転。フェルナンデスの強打がサイドラインを割り、13-10でキューバたまらずタイムアウト。その後も韓国のサーブカットからのコンビが乱れないのに対し、キューバはカットが乱れ、16-13の３点リードで２度目のテクニカルタイムアウト。キューバはカットが乱れるため、要所でベルのレフトオープンに頼らざるを得ず、お得意のライト攻撃をなかなか出せず、波に乗れない。ベルはさすがにベテランだけに確実に決めてくるものの、対角のルイザはやはり若さゆえ、トスが乱れて２段になると韓国のレシーブに確実にあげられ、そこから切り返されて、20-14でキューバ２回目のタイムアウト要求。２度目のアゲロのサーブも韓国が１本で確実に切り、直後ルイザが下に落としにかかったレフトオープンを韓国が見事にシャットして、ルイザが完全につぶれてしまう。最後はチャン＝ユンヒの平行で25-19。韓国が先取する。会場は意外な展開にシーンと静まり返ってしまう。これはほんとにひょっとするとひょっとするかもしれない．．．。

第２セット、やはり１セット奪われたため確実にキューバはコスタ・アゲロのライト攻撃を多用し始め、フェルナンデスのアタックにも気合いが入りだし、アゲロのサービスエースもあって、序盤は主導権を握る。が、やはり第１セットでつぶされたルイザが弱気になってブロックを避けて打ち始め、ミスを連発。点差はさほど広がらない。ネットインサービスエースで11-12と１点差。パク＝ミキョンがライトから決め、同点。チャン＝ユンヒのサービスエースから韓国が波に乗り始め、ルイザを使えないキューバはライト攻撃で必死にしのぐ展開で、非常に緊迫した展開。常に韓国が１、２点リードする形で17-15。ここでセッターのカン＝ヘミがルイザをシャットし３点差。いよいよ苦しくなったキューバはここからベルを多用。苦しい場面を何度も確実に切り、コスタのライト攻撃、チャン＝ユンヒのスパイクミスで19-21とされ、韓国タイムアウト。21-23からパク＝ミキョンの好打、直後ルイザのストレート強打をナイスレシーブして、それを再びパク＝ミキョンが決め、再び同点。ルイザがまたまた弱気に無理なインナーへ打とうとしてミス。24-23で韓国がセットポイント。キューバたまらずタイムアウト。フランシスが豪快なクイックを決め、なんとかジュースに持ち込む。ここからは本当に白熱の大熱戦。韓国はアゲロのサーブに崩される苦しい場面も何とかしのぎ、一方のキューバもベルが後ろにまわった苦しいローテーションをコスタ・アゲロのライト攻撃でしのぐ。お互い全くミスがない素晴らしい攻防で、29-29からベルの超インナーをチャン＝ユンヒがナイスレシーブして30-29のセットポイント。直後アゲロのライト攻撃を再びナイスレシーブで繋いだものの、キューバは今度はフランシスのクイックでしのぐ。ルイザがアタックをネットにかけ、再び31-30の韓国のセットポイントのチャンスもフランシスがク＝ミンジョンを止め、32-31の韓国のセットポイントでサーブカットを乱された絶体絶命のキューバをまたまたアゲロが救って32-32。直後、アゲロのサーブで崩したあと、コスタのライトからの強打で今度は逆に33-32でキューバがセットポイント。ク＝ミンジョンの好打でそこは逃れるものの、34-33から最後はやはりコスタのライト攻撃でキューバがものにする。

この第２セット、韓国の大黒柱チャン＝ユンヒが足首をひねるシーンがあった。今後の試合に影響がなければいいのだが．．．。それにしても本当に韓国はすごいチームになった。少し惜しかったのは、韓国が１つか２つローテーションを戻してスタートしていれば、キューバのベルが前衛にいるローテーションでク＝ミンジョンをぶつけられたのに、ということである。ルイザが前衛の時は別に誰が前でも良かったわけだから、安定しているベルが前の時に、チャン＝ユンヒのレシーブとク＝ミンジョンのアタックがあれば．．．おそらくこのセットもとれていたのではないかと思われる。といってもルイザがこれだけ崩れるとは予想できないわけだから、どうしようもないことかもしれないが。

第３セット以降はやはり第２セットをものにしたということで、若いルイザも気持ち的に持ち直し、あとは実力どおりといった結果だった。ルイザは別として、他の選手はやるべきことをきっちりやっていたので、当然の結果だろう。韓国としても�T下手に�U今日フルセットの試合をやるより、これぐらいで終わった方が良かったかもしれない。

ただし、第２セットで捻挫したチャン＝ユンヒが第４セットでフェルナンデスの強打を顔面に直撃され、軽い脳震盪で起きあがれないというアクシデントが起こった。試合後キューバの選手たちも全員、韓国ベンチのチャン＝ユンヒのところに駆け寄り、彼女の方も「大丈夫、大丈夫」といったジェスチャーで、微笑ましいシーンだったが、実の所彼女の今後が気にかかる。

それにしても結局終わってみると、「キューバ強し！」の印象大である。韓国が強かっただけに、ルイザが途中完全にダメになっても、それでも他の選手がほとんどミスを出さず、全く隙がないといった感じを見せたキューバの強さがかえって印象づけられた形だ。ここらあたり、ロシアとは大違い。やはりキューバの全勝優勝ということになってしまうのだろうか？

一方の韓国もほんとにいいチームになった。前半戦総括でクロアチア戦が鍵と書いたが、今日の日本戦で見せたクロアチアの頭の悪いトス回し（あれだけイエリッチ一人にマークを絞ってくるのをわかっていて、それでもレト・クズマニッチを使えないなんて．．．）でぶざまに負けるのを見ていると、日本バレー協会の�T韓国つぶし�Uのスケジュールもものともしない可能性が高くなった。あとはチャン＝ユンヒの回復次第である。

| entrance | result | profile | special | link | webboard | staff | SiteMap |