: 前半戦５戦が終了したところで、とりあえず総括をしておきたいと思う。

まずロシアの全勝ターンはスケジュール的に恵まれているだけに当然として、韓国・キューバの好調ぶりと逆にイタリアの不調が目立つ。ブラジルはいつもどおりのスロースターターぶりというところだろうか。ようやく中国戦から本来の調子が出てきたようだ。

日本はまぁ実力どおり。相手の不調に助けられイタリア戦は金星を上げたが、これでワールドカップ熱が消えずに済んで良かったというところだろう。あとのスケジュールを考えても、次のクロアチア戦が本当の正念場となる。

クロアチアは一般的にイエリッチのワンマンチームと受け取られているようだが、今大会は少し違う。初戦のブラジル戦でチェックしたとおり、イエリッチの対角に入っているレトが素晴らしい。ペルー戦などはイエリッチはさっぱりで、レト１人で勝ったようなものだった。あと目立たないがセンターのクズマニッチも侮れない。日本戦に向けて休養日が２日もあることを考えれば、イエリッチはおそらく絶好調であろう（少なくとも前半戦最終日の中国戦ではストレート負けだったものの、今大会ではじめて負けチームからM.I.P.としてイエリッチが選ばれている）。クロアチアとしては今大会は若いチームに生まれ変わり、あまり失うものがない。おそらく実力的に拮抗している後半戦最初の日本・イタリア戦に照準を絞ってきているはずであろう（アメリカもおそらく２戦目の日本戦に照準を合わせていたと思われる）から、確かに荒さの目立つ若いチームとはいえ、やはり苦戦は強いられるであろう。セッターのリヒテンシュタイン（こんな名前の国なかったっけ？）がイエリッチ１人に頼るトス回しをするのか、適当にレト・クズマニッチに振ってイエリッチを活かすトス回しをするのか、それに鍵がありそう。日本としては前者の方がやりやすいだろう、後者で来られると一方的な展開もあり得る。

クロアチアのあとのペルー・チュニジアには勝たないとどうしようもない。最終節のキューバ・中国・ブラジルは．．．。なぜこの順番になっているのかは言わずもがなというところ。まさかキューバには勝てないだろうが、この３チームの中で一番勝てる可能性があるのはキューバであろうという日本バレー協会の苦しい判断がある。とにかく日本にとってはやはりクロアチアに勝てるかどうか？である。

一方メダル争いに目を向けてみると、好調のキューバは当確。ブラジル戦でチェックしたとおり、今のキューバにトレス・ルイスは別に必要ない。ロシアが相変わらずの戦いぶりを日本戦で見せたことで、金メダルもほぼ当確か？残り２つの席をロシア・ブラジル・韓国・中国が争う。注目はやはり韓国であろう。

オリンピック前年とあって、各国がまだ調整段階なのに対し、韓国はほぼチームが完成しつつある。来年までにこれ以上伸びるかというと、かなり難しいのでは？と思われるくらい今回のチームは完成している。恐らくメダルを狙うなら、まだ各国が完成しきっていない、今大会が一番なのでは？と思われる。この韓国にとって、一番の敵は恐らくは日本バレー協会の企てた�T韓国つぶしのスケジュール�Uかも？

韓国の初戦はイタリア、２戦目がロシア、そして３戦目が日本であった。恐らく「イタリア・ロシアに熱戦の末、負けてもらってその状態で臨めば、日本にも勝機が？」と考えたのであろうが、その目論見は初戦をストレートで勝った韓国によって崩れさった。第２の �T韓国つぶし�Uは後半戦いきなりキューバ・中国・ブラジル・クロアチアと続く４連戦。特に、比較的韓国が得意としている中国・ブラジルを間に挟むというのは小憎らしい。本気でメダルを狙うには、初戦のキューバ戦はある意味「あきらめ」て、次の中国・ブラジルに照準を合わせた方がいいであろう。中国はかなり韓国を苦手にしており（去年の世界選手権でも負けている）、前半戦で２敗を喫し、メダル争いから脱落気味の中国には辛い相手であろう。かなりの確率で中国には勝つのではないかと見る。問題は次のブラジル戦。元来スロースターターのブラジルは後半になればなるほど強いであろう。キューバにあっさり負けたあたりは心配したが、中国戦ではレイラも爆発して本調子が戻りつつあるようだ。万全同士で臨む韓国対ブラジルはかなりの見物である。

そして一番の問題がそのあとのクロアチア戦。中国・ブラジル相手に全力を尽くすと、このクロアチア戦が危ない。ただでさえメダル争いのプレッシャーがかかる韓国に対し、何も失うもののないクロアチア。いつも「格下に足下をすくわれて」メダルを逃す傾向にある韓国であるが、今大会で言えばクロアチアがこの「格下」に当たる可能性大である。逆にクロアチアが、後半戦でどこに照準を合わせてくるか？がメダル争いの鍵を握っていると言っても良いかもしれない。

あとのロシア・ブラジル・中国はどうか．．．？ロシアは余りにも昨日の日本戦で弱点を露呈してしまった。日本の時間差であれだけブロックが�Tざる�Uになるようでは、ブラジル・中国のコンビバレーには対応できない。バトフチナ（確か名前変わったんだっけ？）がいれば何とかなるのかもしれないが．．．。あとはリューバの攻撃（日本戦は隠していた感もあるが．．．）を上手く使えるか？ブラジルもサーブでリベロのリカルダを外して打たれると弱い。キューバ戦のようにサーブでアナ＝モーゼが崩されてしまえば、あっさり終わってしまうこともあり得るが、スケジュール的には後半戦に限ってはブラジルは非常に恵まれているので、若干ブラジル有利か？中国は韓国に負けてしまうと完全に意気消沈するかもしれないが．．．開き直ってロシア戦に臨めば．．．セット率の争いで何とかという可能性も残される。

総括して最終順位予想を立てると（どうせ当たりませんけど．．．）

Rank	チーム名	Rank	チーム名
1	キューバ（CUB）11勝	7	日本（JPN）５勝６敗
2	ブラジル（BRA）10勝１敗	8	イタリア（ITA）４勝７敗
3	？？？ ８勝３敗	9	ペルー（PER）３勝８敗
4	？？？ ８勝３敗	10	アメリカ（USA）２勝９敗
5	？？？ ８勝３敗	11	アルゼンチン（ARG）１勝10敗
6	クロアチア（CRO）７勝４敗	12	チュニジア（TUN）11敗

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